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顧問税理士の円満な変え方 ― 揉めずに乗り換える5つのステップ

顧問税理士を変えたい。でも「今の先生に切り出しづらい」「引き継ぎで揉めそう」「データを渡してもらえるか不安」「タイミングがわからない」――そんな理由で足踏みしていませんか。

結論から言えば、手順さえ踏めば、顧問変更は円満かつスムーズにできます。私たちはこれまで多くの乗り換えをお手伝いしてきましたが、正しい順番で動けば、ほとんどのケースで大きなトラブルなく切り替えられています。この記事では、揉めごとを最小化する具体的な5ステップを、実例とともにお伝えします。

STEP 1タイミングを決める

基本は決算・確定申告の区切りで引き継ぐこと。旧顧問に最後の申告を完了してもらってから移ると、二重対応やデータの分断を避けられます。

一方で、節税や資金繰りの打ち手は決算前でないと間に合わないものが多いのも事実。「次の申告を新しい税理士で迎えたい」なら、決算の2〜3ヶ月前には動き始めると、当期の対策から関与してもらえます。

STEP 2現顧問への伝え方 ―「黒子方式」で摩擦を消す

もっとも気が重いのがここ。ですが、うまくいく型があります。

新しい税理士に「解約時の確認リスト」を先に作ってもらい、あなたはそれをそのまま旧顧問に送るだけ。専門的な引き継ぎ項目を、素人のあなたが考える必要はありません。

税理士は黒子に徹し、あなたと旧顧問の間に感情的な摩擦を持ち込ませない。これが円満に切り替える一番のコツです。伝え方そのものはシンプルで大丈夫。

STEP 3引き継ぐべきものチェックリスト(最重要)

円満な切り替えの成否は、必要な情報を漏れなく引き継げるかでほぼ決まります。実際に新しい税理士が旧顧問へ請求する項目を、チェックリストにしました。

税務の申告基盤

  • e-Tax の利用者識別番号・暗証番号
  • eLTAX(地方税)の利用者ID・暗証番号
  • 過去の申告書・決算書の控え(直近3期程度)

会計データ・アカウント

  • 使用中のクラウド会計(freee/マネーフォワード/弥生 等)の事業者番号と、税理士の「公認メンバー/アドバイザー登録」の解除状況・解除日
  • オーナーに紐づくメールアドレス/会計データ本体・総勘定元帳・固定資産台帳

設立・届出まわり(特に設立まもない会社)

  • 法人設立届・青色申告承認申請・給与支払事務所等の開設届 の提出状況と控え
  • 消費税の各種届出、インボイス(適格請求書発行事業者)登録
  • 役員報酬の決定根拠となる株主総会(社員総会)議事録の有無

その他

  • 社会保険・労働保険の手続き状況(新規適用届・資格取得届の進捗)
  • 源泉所得税の納付状況(対象月のズレや不足がないか)
  • 税務代理の委任が終了した旨の通知書/預けている原始資料の返却

※ID・暗証番号などの「値そのもの」は、チャットやメールに平文で載せないのが安全です。受け渡しは安全な方法で。先にこの一覧を用意しておくと、旧顧問への依頼が一度で済み、抜けもその場で分かります。

STEP 4クラウド会計へ移行する ― 実質半日

会計データは本来あなた(クライアント)に帰属するものです。ここを押さえると移行はスムーズです。

移行直後は権限・承認メール周りのトラブルが起きやすいので、権限状態をスクリーンショットで確認し、ソフト提供元に問い合わせながら進めれば大丈夫です。クラウド会計であれば、移行の実作業は実質半日程度で済みます。

STEP 5抜け漏れは、新しい税理士が巻き取る

旧顧問が届出やアカウント権限で詰まっても、心配いりません。設立届などは新しい税理士が代行して前に進められます。実際、役員報酬の議事録が未作成・社会保険が未加入だったケースでも、遡及的に議事録を整備し、社会保険も遡及加入する形に組み替えて立て直しました。「旧顧問が何もしてくれていなかった」場合ほど、新しい税理士の実力が出る場面です。

円満に切り替えた人たちの実例

※守秘のため、業種・規模だけ残し、固有名詞・数字は伏せています。前任の法人名も名指ししていません。

事例① 設立まもない一人法人(配送・EC)

大手法人から。届出も議事録も未着手だった会社

前任は大手税理士法人。設立後ほぼ支援がなく、役員報酬の決定・社会保険加入・設立届・議事録が未着手のまま数ヶ月連絡が途絶えていた。新しい税理士が「解約時の確認リスト」を作り、事業主がそれを旧顧問に送って回答を求めた(税理士は黒子)。抜けていた届出は新税理士が代行、議事録は遡及整備、社保も遡及加入で立て直し。事業主は「乗り換えられるかどうかが一番の不安だったが、それが消えた」と話しています。

事例② 大手税理士法人からの期中切替

クラウド会計の権限移行を、つまずかずに越えた

期の途中で切替。クラウド会計のオーナー権限が旧事務所のアドレスに紐づいたままで、顧問先の承認メールが届かないトラブルが発生。権限状態をスクショで確認し、提供元に問い合わせて解消。オーナーを本人のメールに戻すのが移行の要だと分かる典型例でした。

事例③ コンサル運営の法人+個人

「提案がない・料金が売上連動で高い」からの乗り換え

不満は「節税などの提案が少ない」「法人なのに個人向けの手順を案内される」「料金が売上連動で高くなる」。新税理士と面談→見積り→契約内容を確認→旧顧問へ先に解約連絡→「今月の決算申告が終わり次第、引き継ぎ」で段取り。新報酬は切替後から。切替後は満足し、以後は知人を複数紹介する側に回っています。

事例④ 輸出物販の個人事業者

委任終了通知書と電子契約で、淡々と完了

「税務代理の委任が終了した旨の通知書」を旧顧問から入手して新顧問へ共有。2年分の資料をクラウドで共有し、契約は電子契約で締結。切替直後に税務署から前年分(消費税還付)の確認が来たが、旧顧問が申告済みのため必要書類のみPDFで対応して完了。慌てずに済みました。

よくあるトラブルと回避法

まとめ:手順を踏めば、乗り換えは怖くない

顧問税理士は、いつでも・円満に変えられます。カギは、①タイミング ②「黒子方式」の伝え方 ③引き継ぎチェックリスト ④クラウド移行 ⑤抜け漏れの巻き取り、という順番で段取りすること。「今の顧問のままで安心か」――迷いがあるなら、まずは現状を見える化するところから始めてみてください。

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